Workato Automation Pro認定コースを受講してみた

この記事はQiita:Workato Advent Calendar 2022 21日目の記事です。

 こんにちは、鳥山です。2022年9月にコインチェック株式会社に入社し、業務改善グループという部署で働いています。主にコーポレート部門の業務効率化要望のヒアリングから、要件整理、自動化による改善施策の検討を担当しています。

 私が入社したときにはWorkatoは既に導入されていました。私自身の課題として、これからさまざまな部署の業務効率化を考えていく際に、Workatoで何ができるのかを自分自身で知っておく必要があるなと考えていました。

 そんな時にWorkatoのご担当の方からAutomation Pro 認定コースをご案内いただきました。今回、認定コースを受講しましたので、これから受講を考えている方や、どのような方がこのコースに向いているのかについて、私個人の意見とはなりますが書き記したいと思います。

 なお前提として、私はPower Automateは利用したことがあり、プログラミングは少しかじったことがある(情報系の大学卒、趣味でPythonを触る程度)というような人物です。また記載の内容は2022年12月時点のものであり、認定コースの内容等は今後変更される可能性がありますので、ご留意ください。

対象読者

  • WorkatoのAutomation Pro 認定コースの受講を検討している方。
  • Workatoの導入を検討されており、提供される教育用コンテンツが気になる方。
  • 自社にWorkatoが導入されており、これからレシピを作る非エンジニアの方。

3行まとめ

  • 受講することでWorkatoの機能を見通すことができる。一方でWorkatoを使いこなせるようなレシピ作成スキルが身につくまでは難しいのではと感じた。
  • 動画を視聴することで理解がしやすい。理解度も確認ができ、Workatoに携わる方の知識ベースを合わせることができる。
  • 全てのコースを完了するには相応の時間が必要。英語が苦手でも自動翻訳機能で受講でき、最後の試験も合格できた。

Automation Pro 認定コースとは

 Workatoは公式ドキュメントだけでなく、「Automation Institute」という教育用コンテンツを準備しています。AutomationPro認定コースはコンテンツのうちの一つであり、無料で受講することができます。

 またAutomationPro認定コースは全部で3つのレベルに分かれており、それぞれAutomationPro I・II・Ⅲが用意されています。

  • Automation Pro Ⅰ(所要時間目安:2時間)
    Workatoを使った基本的な業務の自動化について学ぶことができるコース(日本語コンテンツあり)
    主に動画による説明、簡単なハンズオン、および試験。

  • Automation Pro Ⅱ(所要時間目安:2時間)
    自動化の中級コース。条件分岐やエラー監視など、ハンズオン形式でWorkatoの基礎的な使い方を学ぶことができる。(日本語コンテンツあり)

  • Automation Pro Ⅲ(所要時間目安:15時間)
    上級コース。バッチ処理、データベース操作、レシピ(一連の自動化処理)の管理の仕方など、Workatoに備わっている機能と利用方法について一通り学ぶことができる。(日本語コンテンツなし)

    Automation Pro 認定コース

認定コース受講前後の私の状態

 それぞれのコースの受講前後の私の状況です。

コース

受講前の状態

受講後の状態

Pro Ⅰ

  • 既に社内にはWorkatoが導入されている。今後、さまざまな部署の業務効率化を考えていく際に、Workatoで何ができるのかを知っておきたい

  • WorkatoとPower Automateの違いはどのようなものがあるのだろうという疑問

  • SalesforceとGoogle Spread Sheetsとの連携を通して、レシピやコネクションが何なのかを知る

  • 自由にレシピを作れるスキルが身に付くまでは到達できない。

  • Power Automateのようなものだった
  • 他にもいろんな機能がありそう

Pro Ⅱ

  • より実践的な内容を期待

  • Power Automateとの違いは?

  • Workato特有の機能はどんなものがある?

  • 条件分岐が直感的に作れることを知る

  • エラー処理が分かりやすく書ける(try-catchの構文)

  • ルックアップテーブルというミニデータベース機能があり、使う場面が分かる。

  • レシピファンクションというサブルーチンの機能があり、保守性が高いことを知る(多分Power Automateにはない機能)

  • 自分で0→1のレシピ作成ができるようなスキルが身についたとまでは思わない

Pro Ⅲ

  • Workatoは保守性の高いレシピ作成ができるような工夫がなされている

  • 他にどんな機能があるのか一通り知っておきたい

  • 非エンジニアの方向けにリストの操作とか丁寧に解説している。レシピ作成する方はProⅢまで受講した方が良さそう

  • HTTPコネクタ、オンプレミスエージェントなど、特殊な製品・環境での自動化も可能だということが分かる(これは強いっ…)

  • 自分で0→1のレシピ作成ができるようなスキルが身についたとまでは思わない(何かしら課題のようなものがあってもいいのかもしれない)

受講を終えての所感

 Pro Ⅰ /ProⅡは数時間で完了することができました。なんとなくWorkatoでできることが理解できるようになります。またWorkatoの強さも理解できると思います。

 Pro Ⅲは量も多く、私は業務時間の隙間で1日1コンテンツこなすと決めて取り組みましたが、消化するまで1ヶ月近くかかるようなボリュームでした。ただし、一通り終えるとWorkatoが備えるほぼ全ての機能、利用にあたっての制約が理解できるようになり、当初の自身のWorkatoの全体像を知っておきたいという目的を達成することができました。

公式ドキュメントとの使い分け

 Workatoの公式ドキュメントも非常に分かりやすいです。中には「公式ドキュメントがあれば認定コース受講しなくてもいいんじゃないの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。(特にエンジニアの方)

 公式ドキュメントはレシピを作成する際に主に参照することになると思います。ドキュメントを読んでレシピ作成する方もいらっしゃると思いますので、そのような方は認定コースは受講は必須とはならないのかもしれません。ただし、英語のドキュメント量>日本語のドキュメント量となっていることには注意が必要だと思います。

 一方で非エンジニアの方で、業務の効率化・自動化を企画・推進していくような方は、まずはWorkato全体を見通すために認定コースProⅠ ・ProⅡを受講するという使い方はいいのではないでしょうか。

 PowerAutomateを利用していた際は、ドキュメントが少なく感じており非常に苦労したので、このような資料が充実していることはWorkatoの強みだと思いました。

辛かった点

 受講してて辛かった点、今後レベルアップしてほしい点についても記載します。

  • Pro Ⅲコンテンツが日本語非対応
    動画、テキストが全て英語でした。私は英語が苦手なので非常に不安でしたが、YouTubeの動画はYouTubeの自動翻訳機能と字幕機能を使ってなんとかなりました。テキストもブラウザの翻訳機能を使いました。動画コンテンツで一部YouTubeではないものがあり、自動翻訳できないものがありましたが、そこはなんとなく理解した気になるしかありませんでした。

  • コンテンツの作りがややエンジニア向けになっている(気がする)
    ここはメリット・デメリット表裏一体だとは思うのですが、非エンジニアでも利用できることがサービスのコンセプトだと思っているものの、同期・非同期処理など非エンジニアには中々理解が難しい点もあると思いました。
    リストですら使い慣れないと思うので、全くのプログラム経験のない方からすると難しいのではと感じてしまいました。

 Workato社は改善に非常に熱心なので、これらは今後改善されていくことと思います。(実際に順次日本語化はされていっています。)

試験対策の紹介

 最後にはなりますが、試験対策を1つご紹介します。

 特にProⅢの試験は英語&2回以内の合格が必要ということで不安に思う方がいらっしゃると思います。幸いにもオープンブック、オープンノート、オープンリソースです。分からない問題が出てきたら、公式ドキュメントの検索ボックスに問題文を放り込みましょう。私は2回目で合格できました。

 なお、この方法は試験の合格を保証するものではもちろんありません。2回連続で不合格だった場合はWorkatoのサポートの方に連絡して、試験回数をリセットしてもらいましょう! 

採用情報

 コインチェックは「新しい価値交換を、もっと身近に」をミッションとした会社で、現在いろいろなポジションでエンジニア職の採用を行なっております。どんな会社なのか、どんなエンジニア職を募集しているのか、少しでも興味を持っていただけましたら、以下のリンクをぜひご覧ください。カジュアル面談も可能です!

hrmos.co

それでは、最後までご覧頂きありがとうございました!