「ブロックチェーン領域に異業種転職したエンジニアたちの近況報会」登壇レポート 〜Web2.0のエンジニアはWeb3.0で活躍できるのか?〜

1. はじめに

こんにちは、ウォレット開発運用部アプリケーション開発グループの山崎です。今回で4回目のテックブログ執筆となります。

今回は2022年11月16日に行われた株式会社Ginco主催『ブロックチェーン領域に異業種転職したエンジニアたちの近況報告会』に登壇させていただいたので、登壇レポートを書かせていただきます。

prtimes.jp

「Web3.0に興味はあるけれど、話を聞く機会や場がなかった方」
「周りにWeb3.0関連のサービスに関わっている知人がいなかった方」
「Web3.0の開発に挑戦したいけど、Web2.0での経験しかなく不安な方」

「とにかくブロックチェーン技術の話を聞いてみたい方」

上記のような方を対象として、あらゆるエンジニアが技術力や知見を深め、ブロックチェーン領域のエンジニアとしてキャリアアップするためのヒントを得られるイベントです。

2. イベント概要

◆日時
2022年11月16日(水)19:00~21:00

◆内容
1. オープニング
    各社会社紹介(事業内容、プロダクト紹介、開発体制および開発環境等の紹介)

2. Engineer Talk  
    テーマ「ブロックチェーン領域に異業種転職したエンジニアたちの近況報会」
    登壇者
    コインチェック株式会社 山﨑 浩毅
    株式会社Gaudiy エンジニア 土居 湧太郎 氏
    株式会社Ginco エンジニア 遠藤 駿也
3. 司会との質疑応答セッション
    司会 株式会社Ginco CTO 森下 真敬
4. エンディング(記念撮影など)
5. 交流会(軽食&飲み物で交流)

◆開催場所
東京都港区虎ノ門4-3-1 
WeWork 城山トラストタワー

3. イベント内容

実は今回のイベントが私にとって初めての登壇でした。Gincoさんにお声がけいただいたことがきっかけです。まだブロックチェーン領域のエンジニアとして開発を始めてから1年少しと歴が浅いため、登壇することに不安がありましたが、今の自分だからこそお伝えできることもあるのかなと思い、登壇を引き受けさせていただくことにしました。
イベントのメインセッションは「Engineer Talk」でした。
コインチェックからは私、Gaudiyさんからは土居さん、Gincoさんからは遠藤さんが登壇しました。

 

4. コインチェック(山崎)の登壇内容

「Engineer Talk」の最初は私のセッションでした。登壇スライドはこちらです。

speakerdeck.com



私は ※社内留学制度 を利用して、ブロックチェーン領域のバックエンドエンジニアというはじめての領域に挑戦した話と、私が所属するウォレット開発運用部アプリケーション開発グループの業務内容、取引所で働く大変さと面白さをテーマにお話しさせていただきました。

3~6か月間など期間を決めたうえでエンジニアが組織内の他のポジションに一時的に「留学」ができる制度です。本人の希望に応じてこれまでと異なる全く新しい業務を意欲的に勤め、学んでもらう事を目的としています。


アプリケーション開発グループの業務内容を説明する上で、弊社の入出金システムについて簡単に説明しました。説明の中で直近で上場したPolkadotを例に挙げながら、どのようにブロックチェーンに対する知識が求められるのか、どういうところに面白さや大変さがあるかについて説明させていただきました。

改めての紹介になるのですが、以前Polkadotの新規上場を担当した際にアドレス形式やリプレイプロテクションの仕組みについてまとめたのですが、私たちのような取引所ではこのようなことにも留意しながらシステムを構築しているので、下のブログからそれを垣間見ていただけると幸いです。

セッションの締めくくりとして、私たちのような取引所でシステム構築に関わることの面白さとして、ブロックチェーンの分散的な仕組みと、取引所のシステムだったり規制当局だったりといった中央集権的な仕組みの両方のダイナミズムを感じられ、時代の転換点となるシステムの中心に携われることですとお話しして締めくくりました。

 

セッションスタート

アプリケーション開発グループの業務内容を説明

セッションの締めくくり

 

5. Gaudiy(土居さん)の登壇内容

私のセッションが終わると次に、株式会社Gaudiyの土居さんのセッションが始まりました。

土居さんは現在コミュニティアプリのバックエンド開発や、ブロックチェーン周りの開発など幅広く担当されており、今回は、ブロックチェーンを学び始めてからの振り返りをテーマとして、個人にフォーカスしたような内容をお話しされました。

スマートコントラクトエンジニアとしてのスタート地点は、オライリーの実践スマートコントラクト開発という本を触り始めたことや、Web2.0領域とブロックチェーン領域の学習コストについて、最初の一歩のとっつきづらさが違うだけで、学習コストはWeb2.0の勉強とそこまで大差ないと感じたとおっしゃっていました。

またWeb2.0でもできることをWeb3.0でやる必要性について、NFTを例に挙げながら説明されていました。

最後にWeb3.0がマスアダプションするための課題について説明されて締めくくっていらっしゃいました。

土居さんの自己紹介

                                       Web3.0である必要性についての説明

6. Ginco(遠藤さん)の登壇内容

土居さんのセッションが終わると最後に、株式会社Gincoの遠藤さんのセッションが始まりました。

遠藤さんはバックエンドエンジニアとして暗号資産取引所向けのウォレットSaaS Ginco Enterprise Walletの開発を担当されています。

今回は、「ブロックチェーン領域のエンジニアに至るまで、想像よりは敷居が高くなかった」というテーマでお話しされていました。

遠藤さんはGincoへの入社理由として、ブロックチェーンに対してエンジニアとして得体のしれないものへの探究心がくすぐられたこと、具体的にはチェーンごとの思想の違いや、Goなどの今イケていると言われている言語を採用しているプロジェクトも多いことなどを挙げていらっしゃいました。

そしてブロックチェーン領域未経験エンジニアとして入社した不安を、Gincoが心理的安全性が高い組織だったことやご自身のマインドセットを合わせながら、乗り越えていったことについてお話しされていました。

今は新規通貨対応、つまり新しいチェーンに対応し既存のウォレットにインテグレーションすることを担当されています。その対応をするにあたり、アドレス生成方法やコンセンサスアルゴリズム、マルチシグの対応方法などそれぞれのチェーンによって異なる仕様について調査することもこの仕事の醍醐味だとおっしゃっていました。またGincoではマイクロサービスごとに対応を任せられるので、当事者意識を持って業務に臨めるともお話しされていました。

最後にGinco入社後のご自身の成長についてお話ししながら、想像よりは敷居が高くなかったことを再度強調して締めくくっておられました。

遠藤さんの自己紹介

通貨対応の流れについて説明

 

7. Ginco CTO 森下さんとの質疑応答セッション

質疑応答セッションでは、Ginco CTOの森下さんが司会を行い、参加者から寄せられた質問の中からいくつかピックアップしたものに対して私含む登壇した方々でお答えさせていただきました。

質問と回答内容については、Ginco PR担当のふじけんさんがスレッド形式でリアルタイムでツイートしていただいてますので引用させていただきます。

 

8. 参加者の声

いくつかご参加いただいた方のTwitter上での反応も引用させていただきます。ご参加いただき誠にありがとうございました。

 



9. まとめ

今回参加させていただいた印象として、Gaudiyの土居さんもGincoの遠藤さんも、想像していたよりはブロックチェーン領域のエンジニアになることは敷居が高くなかったとおっしゃっていたのが印象的でした。

それは私自身も共感するところがあり、学生時代からブロックチェーン領域には興味があり、当時から挑戦したいなという気持ちはあったのですが、数学がそれほど得意じゃないことも相まって、例えばビットコインで登場する楕円曲線暗号とかちゃんとは理解できていないしな……などの気持ちもあり、自分には無理だと最初から決めつけていた面がありました。

しかし、実際に思い切って飛び込んでみると、想像よりはWeb2.0の技術のキャッチアップとそれほど変わらないことに気づいたりなど、お二方がおっしゃっていたことに共感します。今回を通して、ブロックチェーン領域の開発をすることは想像よりは敷居は高くないことを伝え、Web3.0の世界に飛び込もうか迷っている方の背中を後押しできるようなイベントだったのではないかと思っています。

というわけなので、コインチェックではエンジニアを積極募集中です。今話題のWeb3.0、ブロックチェーン領域で勝負したいエンジニアの方などご興味ある方はお気軽にお申し込みください。

特にWeb3.0に興味はあるけれども、これまでWeb2.0での開発経験しかないしな…等で迷っている方は、お伝えしてきた通り想像より敷居は高くなく、これまでのWeb2.0での開発経験が十分に生きる世界なので、是非是非お気軽にお申し込みいただければと思います。

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